1. ディトゥアー・アヘッド |
2. 首尾よく行けば |
3. ソリチュード |
4. 月光のいたずら |
5. グッド・モーニング・ハートエイク |
6. アイ・クライド・フォー・ユー |
7. ドント・エクスプレイン |
8. ファイン・アンド・メロウ |
9. アイ・カヴァー・ザ・ウォーターフロント |
10. レフト・アローン |
11. 奇妙な果実 |
12. レディ・シングス・ザ・ブルース |
【パーソネル】
テレンス・ブランチャード(トランペット)
ブルース・バース(ピアノ)
トロイ・デイヴィス(ドラムス)
クリス・トーマス(ベース)
ジニー・ブライソン(ヴォーカル)
1995年10月20、27、29日ニューヨークマンハッタンセンターボールルームで録音
テレンス・ブランチャードは多才なミュージシャンで、映画監督のスパイク・リーの音楽担当も手がけているそうだ。
今回のアルバム『ビリー・ホリデイに捧ぐ』は、大好きなビリー・ホリデイの愛唱歌をブランチャードならではの解釈と、映画音楽張りのストリングスをバックに演奏したもので、文字通り憧れのビリー・ホリデイに捧げたアルバムだ。
なかでも、ゲスト・ヴォーカリストとしてディジー・ガレスピーの娘(?)とも言われている、ジニー・ブライソンを迎えているのは一聴に値するし興味深い。全12曲のうち5曲を歌っているが、やはりビリー・ホリデイを尊敬しているように、それぞれを丁寧に歌っており雰囲気を醸し出している。特に、11曲目の『奇妙な果実』を歌ではなく朗読しているところが心に染みる。
このアルバムは、類い稀な(不世出の天才シンガーでありながら、決して満たされはしなかった辛い人生を送り、結果酒とドラッグで44歳の若さで人生を閉じた)人生を歩んだビリー・ホリデイを崇拝する二人のミュージシャンが、それぞれの思いを存分に表現して作り上げた最高のアルバムであろう。