wagamamakacchan’s blog

Music washes away the dust of every life. =Art Blakey=

サンデイ・モーニン / グラント・グリーン

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1. フリーダム・マーチ  
2. サンデイ・モーニン  
3. 栄光への脱出  
4. ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド  
5. カム・サンライズ  
6. ソー・ホワット
 
 
【パーソネル】
ベン・タッカー (b)
ベン・ディクソン (ds)
 
1961年6月4日ニューヨークにて録音
 
 
グラント・グリーンのブルー・ノート・リーダー第三作目となるこの「サンデイ・モーニン」だが、表題のサンデイ・モーニンを始めとして全体的に明るい伸び伸びとしたほんわかムードで演奏されている。これはジャケットのグリーンの表情を見ても分かる通り、穏やかな日曜日の午前中に耳を傾けるのに、まさにうってつけのアルバムではないだろうか?
 
また、ピアノにケニー・ドリューを迎え入れていることも一つの要因になっているだろう?
 
 
さて、このアルバムだが、全六曲中三曲をグリーン作で固め、残り三曲を自分の敬愛する話題作でまとめあげている。
 
三曲目の「栄光への脱出(英題:EXODUS)」はハリウッド映画のテーマ曲で、静かな哀愁を秘めた演奏となっているが、ブルースを得意とするグリーンやドリューの得意とするところだろう。
 
四曲目の「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」はビリー・ホリデイの曲でおなじみだし、最後の「ソー・ホワット」になるやマイルス・デイヴィスの超有名な曲で、特別な敬意を払って選曲していることが分かる。
 
さらにこのアルバムでは、いつもおとなしく控えめな、しかし正確にバックを務めているベン・ディクソンのベース・ソロを聴けるのが堪らない!!
 
 
一曲目の「フリーダム・マーチ」はいつも通りグリーンの同じフレーズを繰り返す奏法で始まるが、これがまたより印象深く耳に残って心地よい(´∀`*)
 
続いてケニー・ドリューの丁寧なピアノソロとなるが、やはりブルースを得意とするドリューの真骨頂とも言える味のある深みを感じさせている。
 
待ちかねたベン・タッカーのベース・ソロは一音一音が実にしっかりしていて、低音の魅力というかベースの持ち味を遺憾無く引き出してくれている。思わずボリュームのつまみを右に回してしまった。バックで奏でるベン・ディクソンのシンバルも心地よいのは言うまでも無い。
 
二曲目のタイトル曲「サンデイ・モーニン」は軽快に飛び跳ねるようなグリーンのギターで始まるが、それに呼応するかのようなドリューのピアノがまたより軽快で、ここでもグリーンとドリューのやりとりが面白いが、演奏時間が4分ちょっと短いのがもったいない。
 
三曲目の「栄光への脱出」は前述したように映画のテーマ曲だそうだが、ブルース全開のグリーンとドリューの演奏が素晴らしい!!
 
途中から割って入るベン・タッカーのベースも静かながら腹に堪える低音が効いていて聴きごたえ十分である。
 
四曲目の「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」はビリー・ホリデイが好んで歌っていた曲だが、曲想に応じたグリーンのギター・テクニックには感動すら覚えてしまう。続くドリューの流れるようなピアノも素晴らしい。
 
五曲目の「カム・サンライズ」はグリーンの軽快なシングル・トーンが炸裂して始まるが、ドリューも負けじとノリノリのピアノを披露する。
 
グリーンのギターとディクソンのドラムが交互に渡り合いエンディングに向かうが、これもまた互いに慣れ親しんでなければ出来ない絶妙な技かも知れない?
 
最後の「ソー・ホワット」はグリーンのギターとタッカーのベースが混じり合いながら超有名なイントロを奏でるが、チェンバースのイントロに勝るとも劣らない出来上がりとなっている。グリーンに続いてのドリューのピアノも圧巻である。
 
続いてこのアルバムでの最大の聴きどころであるベン・タッカーのベースソロになるが、これがまた堪らない。静かに落ち着き払った丁寧いな指使いが聴こえてくるからスピーカーの前に陣取ってしまう。
 
グリーンのブルージーな素晴らしい演奏に続いて、タッカーのベースがフェイド・アウトしながらエンディングを迎えるアレンジも嬉しい。