1. イフ・アイ・ワー・ア・ベル (Frank Loesser)
2. ブッチ&ブッチ (Oliver Nelson)
3. マイ・ファニー・ヴァレンタイン (Richard Rodgers/Lorenz Hart)
4. スクラップル・フロム・ジ・アップル (Charlie Parker)
5. いつか王子様が (Frank Churchill/Larry Morey)
6. ニ度東、三度西 (John Lewis)
7. a)枯葉 (Jacques Prevert/Joseph Kosma/Johnny Mercer)
b)アップ・フォー・イット (Keith Jarrett)
キース・ジャレット: piano
ゲイリー・ピーコック: double-bass
ジャック・ディジョネット: drums
久し振りにキース・ジャレット・トリオのCDを聴いた。
本作品はトリオ結成20周年を記念して作られたアルバムで、フランスのアンティーブ・ジャズ・フェス
ティヴァルでの実況録音で73分の超大作となっている。
このスタンダーズ・トリオは近年フリー・インプロヴィゼーション演奏をメインに取り組んでいるが、
久々にスタンダードを中心に選曲した作品となっている。
のっけから11分45秒に渡る「イフ・アイ・ワー・ア・ベル」が始まる。この曲はマイルス・デイビス
の演奏が有名だが、このトリオも抜群の味わいを出している。次の「ブッチ&ブッチ」はアルバム「バイ
バイ・ブラックバード」の3曲目に収められている曲だが、あまりよく聴いたことがなかった。3曲目の
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」もあまりにも有名だが、演奏するミュージシャンによって同じ曲で
もこんなにもその表情が変わるのはジャズの醍醐味だろう。それぞれのミュージシャンの持っている感性
の違いだろうか、その時の気分の乗り方だろうか、インプロヴィゼーションの違いが味わえて面白い。
特にこのアルバムのようなライヴがいい。
4曲目はチャーリー・パーカーの「スクラップル・フロム・ジ・アップル」だが、このバップ・ナンバー
でも無難にまとめていて聴きやすい。
5曲目の「いつか王子様が」もマイルスゆかりの曲だが、もう説明は何もいらない。
6曲目の「二度東、三度西」という曲はジョン・ルイスの書いた曲だと言うが、あまりなじみではない。
杉田宏樹氏のライナー・ノーツによると、「過去同曲をレコーディングしたピアニストがほとんどいな
いことを考えると、キースの目の付け所はユニーク」と評している。これはもうじっくりと聴いてみるし
かない。
最後はジャズ・スタンダードとして知らない人はいない「枯葉」からキース・オリジナル「アップ・
フォー・イット」と続いてエンディングとなる。この「枯葉」も沢山のミュージシャンが取り上げていて
有名だが、私にはいつ「アップ・フォー・イット」に移ったかわからない。