wagamamakacchan’s blog

Music washes away the dust of every life. =Art Blakey=

レイ・ブライアント・トリオ

TAKAO FUJIOKAさんのブログ6月4日の記事に、「訃報:レイ・ブライアント」がアップされていたので、レイ・ブライアントとしては私のたった二枚のCDから『レイ・ブライアント・トリオ』を引っ張り出して聴いてみた。



イメージ 1
1. ゴールデン・イヤリングス
2. エンジェル・アイズ
3. ブルース・チェンジズ
4. スプリッティン
5. ジャンゴ
6. ザ・スリル・イズ・ゴーン
7. ダフード
8. ソーナー

 

【パーソネル】
レイ・ブライアント(p)
アイク・アイザックス(b)
スペックス・ライト(ds)

 

1957年4月5日、ニュージャージー州ハッケンサックにて録音



TAKAO FUJIOKAさんのジャズグラブログ:
http://ameblo.jp/jazzyanen/entry-10912945408.html



レイ・ブライアントのCDは、これを含めてたった二枚しかもっていないが、何度聴いても飽きの来ないアルバムである。



これはあまりにも有名なアルバムなので、試聴後の感想なんて言い尽くされているとは思うが、一応私なりに感じた印象を書き連ねておく。



どちらかというとブルージーな弾き方で地味なブライアントではあるけれど、一度曲を弾き始めると、そのインプロヴィゼーションは目を見張るものがあり、どうしても引き付けられてしまう。



のっけから始まる「ゴールデン・イヤリングス」はなぜか気品があり、気負いなどは微塵も感じられず、ただ淡々と演奏している中に哀愁を醸し出しているから不思議だ。これが業師という所以だろうか。いわゆるBGMとして聴き流してもよいくらいだ?っというとブライアントに失礼だろうか。



「エンジェル・アイズ」は3分19秒という短い曲の中に、ブルージーをぎゅーっと凝縮したかのような味わいをも感じるのは、もうまさにブライアントの真骨頂だろう。



「ブルース・チェンジズ」と「スプリッティン」はブライアント作曲だが、ミディアムアップテンポな「 スプリッティン」も聴きごたえがある。ブライアントの流れるようなピアノタッチが聴かせどころだが、バックを支えていスペックス・ライトのドラムとのやり取りも交え、心地よくスイングして格別だ。



MJQでおなじみの「ジャンゴ」は、約一分強の静かなイントロからちょっと溜めてテーマに入る瞬間が絶妙で、その後はアイザックスに寄り添うように語りかけていて面白い。



ザ・スリル・イズ・ゴーン 」はブライアントの柔らかいピアノから始まるが、少々もの憂げで叙事詩的なところが、我々日本人に好まれる条件となっているのだろうか。



「ダフード」はクリフォード・ブラウンの作曲だが、ブライアントは楽しさあふれんばかりにスイングしており、スペックス・ライトのブラシ捌きも楽しめる。



最後の「ソーナー」のイントロはどこかで聴いたような記憶があるが、ピアニストのジェリー・ウィギンスとソニー・クラークの作曲だという。モダン・ジャズのスタンダードをこなしているブライアントにしてみれば、ピアニストの曲はさすがもお手の物で、難なくスインギーにこなしている。