TAKAO FUJIOKAさんのブログ6月4日の記事に、「訃報:レイ・ブライアント」がアップされていたので、レイ・ブライアントとしては私のたった二枚のCDから『レイ・ブライアント・トリオ』を引っ張り出して聴いてみた。
TAKAO FUJIOKAさんのジャズグラブログ:
http://ameblo.jp/jazzyanen/entry-10912945408.html
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レイ・ブライアントのCDは、これを含めてたった二枚しかもっていないが、何度聴いても飽きの来ないアルバムである。
これはあまりにも有名なアルバムなので、試聴後の感想なんて言い尽くされているとは思うが、一応私なりに感じた印象を書き連ねておく。
どちらかというとブルージーな弾き方で地味なブライアントではあるけれど、一度曲を弾き始めると、そのインプロヴィゼーションは目を見張るものがあり、どうしても引き付けられてしまう。
のっけから始まる「ゴールデン・イヤリングス」はなぜか気品があり、気負いなどは微塵も感じられず、ただ淡々と演奏している中に哀愁を醸し出しているから不思議だ。これが業師という所以だろうか。いわゆるBGMとして聴き流してもよいくらいだ?っというとブライアントに失礼だろうか。
「エンジェル・アイズ」は3分19秒という短い曲の中に、ブルージーをぎゅーっと凝縮したかのような味わいをも感じるのは、もうまさにブライアントの真骨頂だろう。
「ブルース・チェンジズ」と「スプリッティン」はブライアント作曲だが、ミディアムアップテンポな「 スプリッティン」も聴きごたえがある。ブライアントの流れるようなピアノタッチが聴かせどころだが、バックを支えていスペックス・ライトのドラムとのやり取りも交え、心地よくスイングして格別だ。
MJQでおなじみの「ジャンゴ」は、約一分強の静かなイントロからちょっと溜めてテーマに入る瞬間が絶妙で、その後はアイザックスに寄り添うように語りかけていて面白い。
「ダフード」はクリフォード・ブラウンの作曲だが、ブライアントは楽しさあふれんばかりにスイングしており、スペックス・ライトのブラシ捌きも楽しめる。
最後の「ソーナー」のイントロはどこかで聴いたような記憶があるが、ピアニストのジェリー・ウィギンスとソニー・クラークの作曲だという。モダン・ジャズのスタンダードをこなしているブライアントにしてみれば、ピアニストの曲はさすがもお手の物で、難なくスインギーにこなしている。