wagamamakacchan’s blog

Music washes away the dust of every life. =Art Blakey=

セロニアス・モンク・カルテット / ブルー・モンク

イメージ 11. Hackensack (11'05)
2. Light Blue (10'58)
3. Evidence (11'41)
4. Blue Monk (11'46)
5. Jackie-ing (10'09)
6. Ruby My Dear (8'45)


<Personnel>
Thelonious Monk (piano)
Charlie Rouse (tenor sax)
Larry Gales (bass)
Ben Riley (drums)

Recorded in Europa ca. 1963/1964



このアルバムはセロニアス・モンク・カルテットが1963年から1964年にヨーロッパツアーを行った時のライヴ録音となっているが、アマゾンの資料によれば、1965年パリのオリンピック・シアターでの録音となっているので定かではない。

ただ、1~4曲と5~6曲では録音日が違っているは確かなようだ。


先のDVD「ストレイト・ノー・チェーサー」ではヨーロッパツアーでのカルテットとオクテットの演奏を観ることが出来たが、このCDではカルテットのそれぞれのミュージシャンのソロが存分にフィーチャーされていて聴き応え十分である。


1曲目の「ハッケンサック」はモンクのイントロから始まって全員でのテーマに続き、飛び跳ねるようなラウズのソロが始まる。ゆったりとした長いラウズの演奏に続き、モンクのはつらつとしたソロが聴ける。その後、ゲイルズのベースとライリーのドラムが交互に入り乱れ、ベースソロ、ドラムソロに続き、全員でのテーマに戻る。11分05秒という長い演奏だが、飽きさせない良い演奏である。


2曲目の「ライト・ブルー」はモンクの物憂げな不協和音(?)のテーマから始まり、ラウズも負けじと不協和音(?)で絡み、その後ラウズの長いソロに入る。次のモンクは単音単音をしっかりと刻んでおり、ベースのゲイルズにソロを引き渡している。長いベースソロはゲイルズのベーステクニックを存分に堪能出来る。ここは是非音量を高くして聴きたい。
続いてライリーの静かなドラムソロに入るが、ライリーの落ち着いたステック捌きも素晴らしく、自然と耳を傾けてしまう。その後はラウズに続き、全員でのテーマに戻る。


3曲目の「エヴィデンス」はモンクのえもいわれぬソロから全員によるテーマに入るが、ラウズのソロが光っている。モンクはバックで淡々と弾いているが、ある時間帯は全くピアノが絡んでこない。多分いつものダンスをやっているのだろうか。

ラウズのソロの後、モンクのソロがやっと絡んで来て暫く演奏した後、今度はゲイルズのベースと絡んでくる。その後にライリーのソロへと続く。


4曲目はタイトル曲の「ブルーモンク」がモンクのソロから始まるが、聴衆も心得ておりテーマが始まると同時に大きな拍手で迎えられる。その後、落ち着いてじっくりとしたテナーソロへ続く。

長いラウズのインプロヴィゼーションの後にモンクのソロが続き、自由奔放なインプロヴィゼーションを展開する。その後のゲイルズのソロがまた聴かせてくれる。
静かに入ってくるライリーのドラムが次第に大きくなってくると全員でのテーマに入る。


5曲目の「ジャッキー・イング」は、1~4曲とはがらりと違い、ライリーのドラムソロから始まり、ラウズのテナーソロに入る。冒頭に録音日が違うと記しておいたが、この辺からそれが分かる。ラウズのソロからモンクの得意な不協和音のソロ演奏となる。特に黒鍵を使った和音はモンクの心を表現しているように感じる。また、ゲイルズの丁寧なバッキングがモンクのソロを盛り上げている。

引き続きライリーのドラムソロに入り全員によるテーマに戻る。


6曲目の「ルビー・マイ・ディア」はラウズの静かなバラッド演奏で始まるが、これが心地良く響いてくるから楽しい。続いてモンクのソロとなるが、情緒的な弾き方は不協和音の時とは別人のように感じる。何でも弾ける天才モンクの片鱗を感じる。
続いてラウズのソロへつなぎエンディングとなる。


全体的に見て、やはりこの時期はモンクの円熟した演奏が聴ける良い作品となっていることが分かる。ず~っと敬遠していた天才セロニアス・モンクの演奏をますます好きにさせてくれた一枚だった。