それにしても福士選手は頑張った。
ために、エチオピアの高山で練習を積んできたらしいが、それでも30キロメーターぐらいまでしか走り
込まなかったらしい。
「急に目の前が真っ暗になった」と言っているが、確かに30キロ過ぎから急にペースダウンを起こし
た。監督は「脱水症状による貧血」、「スタミナ切れ」と言っているようだが、初マラソン日本最高記録
が期待された快ペースから一転して失速した裏側に、何があったのだろうか。
いえ、フルマラソンは初参加である。それが序盤から飛ばしに飛ばして中間点では2位に1分55秒差を
つけ、25キロでは2分9秒もの大差をつけていた。テレビ観戦していたが、こんなに飛ばして終盤まで
持つのかと思ったが、案の定、結果は予期した通りだった。多分、福士はフルマラソンの恐ろしさを初め
て知ったのだろうと思う。
いまさらながら、つくづく思うが、多くの経験を積んでいる監督を含めてその取り巻きが、事前に戦術を
練らなかったのだろうか。私の知っている限り、相当な実力がなければ先行型は必ず失速する。30キロ
まで我慢、それからがラストスパートだと考えている。距離と時間との配分間違いで失速してしまったの
ではないか。実力はあったのに大変残念である。
でも、福士加代子は頑張った。
残念ながら良い結果は残せなかったが、福士は我々に何か大切なものを教えてくれた。
長居陸上競技場に戻って来てからでも3度倒れた。それでも無意識のうちに起き上がりなんとかゴールに
たどり着いた。監督は「止めてもいい」と言ったらしいが、福士の意地がそうはさせなかった。
あのテレビ放送で何人の日本人に感動を与えただろうか♪