wagamamakacchan’s blog

Music washes away the dust of every life. =Art Blakey=

ワークアウト / ハンク・モブレー

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1.ワークアウト
2.アー・ハー
3.スモーキン
4.ザ・ベスト・シングス・イン・
     ライフ・アー・フリー
5.グリーシン・イージー   
 
 【パーソネル】
ポール・チャンバース(b)
 
1961年3月26日録音
 
 
 
ベイビー・フェイス・ウィレットのブルー・ノート第一作「フェイス・トゥ・フェイス」に参加してから、いろんなフォーマットでの録音に参加したグリーンだったが、その後ジャック・マクダフの「ザ・ハニー・ドリッパー」、スタンリー・タレンタインの「アップ・アット・ミントンズVOL.1 & 2」やデイヴ・ベイリーの「リーチング・アウト」などでもサイドメンとして録音している。
 
さて、今回取り上げたハンク・モブレーのアルバム「ワークアウト」だが、当時マイルス・バンドの一員としてはあまり居心地が良くなかったような(?)モブレーの、逆により創造力に富んだ溌剌とした重厚な演奏が聴ける。
 
っと同時に若干緊張気味だが、グリーンのシングル・トーンを駆使したいつものハード・バップが聴けるのも良い。
 
実はグリーンは以前にこれらのリズムセクション
セッションをしたことがあった。いわゆる「ファースト・セッション」であるが、ブルー・ノートでは陽の目を見ないで御蔵入りしてしまったようで、2001年にキャピトルから発売されていたようだ?
 
さて、タイトル曲の「ワークアウト」の邦訳は練習だというが、フィリー・ジョーのドラムの次に気持ちよさそうに炸裂するモブレーのテナーは圧巻だね。それに比べると、ちょっと緊張気味で音を選んだような丁寧な演奏をしているのがグリーンで、モブレーに圧倒されていたのかも知れないな?
 
 
続くケリーの流れるようなピアノは流石が大御所だけあって聴きごたえ十分だ。続くフィリージョーのソロ・ドラムも余り出しゃばり過ぎずに心地よい響きを醸し出している。
 
2曲目の「アー・ハー」も心地よく聴きやすい曲だ。こんなのが1961年代初頭に作曲されていたなんて信じられない?
モブレーのアーシーなテナーの後はグリーンの落ち着きを取り戻したかのようなギターが続き、ケリーの流れるようなピアノ・タッチになるともう夢心地だ。次に待ってましたとばかりに今回初めてチェンバースのソロが入ってくる。これも素晴らしく聴くに値するなあ!!
 
3曲目の「スモーキン」はアップテンポなブルース曲だが、モブレーのテナーに勝るとも劣らないグリーンのシングル・トーンが炸裂し、ブルース大好きといったグリーンの真骨頂が展開されていく。最後はケリー、モブレー、フィリー・ジョーのバトルと続くが、三者三様の持ち味が遺憾無く発揮されていて圧巻だ。
 
4曲目の「ザ・ベスト・シングス・イン・ライフ・アー・フリー」だけがスタンダード・ナンバーで1927年にミュージカル用として作曲されたようだが、この場合は古さを感じさせない曲想として仕上げているのは流石モブレーというところだろうか?
 
このアルバム最後となる5曲目「グリーシン・イージー」は、素敵なピアノ・トリオの演奏に引き続きファンキーなブルースも演奏できるんだとばかりに豪快にテナーを吹くモブレーが目の前に浮かんで来る。途中から割り込んでくるかのようなグリーンのギターは、やはりファンキーな演奏を得意とするから当然なのかも知れないが、しっかりと落ち着いたブルージーなテクニックを思う存分披露してくれている。隠れたフィリー・ジョーのサポートも良い。
 
続くケリーも持ち前のスインギーなピアノ演奏をしてくれるが、どんな状況下に置かれても対応出来たと言われた、ケリー節が炸裂している演奏は見事の一言に尽きる。
 
このアルバムで改めてテナーとギターの相性が良いことが証明されたのかも知れない。